だけど涙がでちゃう 身につまされちゃうんだもん


10月24日(土)から公開する映画「アンヴィル! 夢を諦めきれない男たち」の試写会に行ってきました。
【あらすじ】 ・・・ 80年代に活躍を期待された、カナダ出身のへヴィメタル・バンド「アンヴィル」。同世代に活躍したバンドが伝説となりつつあるなか、四半世紀たった今も解散もせず、成功を夢見て地道な活動を続ける彼らを追ったドキュメンタリ・フィルムです。
 
先日、海外の音楽専門誌の表紙に載っていたジューダス・プリーストを見て、「ああ、そういえば織田裕二のコーラスやってたな〜 海外では今でも表紙になるほど人気があるんだな・・・」としばらく思っていたわたしです。あとで聞いてみたら、それはマキシ・プリーストだったという・・・ そんな音楽知識しかない人が観にいっていいものかと、内心ちょっと心配でした。 (※ちなみにマキシ・プリーストUB40の違いもよくわかっていません)
 
ところがいざ!映画がはじまってみると、メタルも音楽もよくわかってない私も思わず笑ったり、ほろりと泣きそうになったり・・・ 上映が終わるころには両手でハンドサインを作って「メタル★最高!」とあやうく言ってしまいそうでした。
かつて80年代に一緒にステージに立ったバンドと再び競演するときのバックステージの風景もとてもよかった。プロのミュージシャンとして芸暦がながいはずなのに、ひとりのヘヴィメタファン(の中学生)のように瞳を輝かせて憧れのミュージシャンに駆け寄るボーカル(リップス)・・・。へヴィメタルのミュージシャンという人生の選択肢しかあえて選んでこなかった彼らが、それはもう本当にすがすがしくまぶしい。
そんな彼らを支える家族もインタビューに応じているのだけど、これにも胸を打たれました。「彼らには音楽しかない、そんな彼らを応援しているの」と話しながらも、いつの間にか奥さんや実姉の頬にツツツと涙が・・・! アンヴィルというバンドの成功、そして愛する人の幸せをどれだけ切実に願っているのか、そして成功への道のりがいかに険しいのか(だってデビューしてから四半世紀ですよ)、こちらの胸にじんじん伝わってきます。(しかし当の本人たちは「いつかやってやる」と信じて今も戦い続けているのであった・・・)
それにしても、彼らが地元レコード会社にデモテープの売り込みをするシーンで、彼らが手にしていたのは缶ビールではなく炭酸飲料(風のもの?)だったり、ヨーロッパのツアーでは「麻薬犬なんていないじゃないか!せっかく薬を抜いてきたのに」なんて言ったり・・・ 彼らはもうやんちゃな時期を過ぎて、すっかりまともなミュージシャンになっているのは現代流なのかも?
 
あと、日本語版の公式サイトでなぜか電気グルーヴのふたりのコメントが取り上げられているのが不思議だったけど、映画をみて何となく納得しました。アンヴィルの中心となっているボーカルのリップスとドラムのロブは、少年時代からの知り合い。一緒にバンドを組み、デビューしてからも「まるで家族のように」活動を続け、口論になったりもすれどお互いが一番の理解者という・・・ 映画を観てるうちに、このふたりがまるで卓球と瀧のように見えて仕方なくなってきました(卓球がロブで瀧がリップス)。
 
毎日いろいろあるけど、彼らががんばっているうちは、私も毎日のお仕事がんばってみよう・・・ そんな元気をくれる映画でした。
 
 
【ほそく】
アンヴィルの代表曲「Metal on Metal」はこんな曲。かっこいいですなー

私にとって「Metal on Metal」といえばこんな曲。こちらももちろんかっこいいですなー

ちなみにクラフトワークには「Heavy Metal Kids」(ヘビメタキッズ)という曲もあるわけでして

今月から2ヶ月ほど、遅めの夏休み。はやく休みにならないか、休みになったらアレしようコレしよう、好きなだけ好きなことやって、寝たいときに寝て起きたいときに起きて、好きなご馳走を時間かけて作って食べて、仕事で平日こなせなかったアレコレをぜんぶ片付けて・・・ と、休みが楽しみで仕方なくて、多少の無理もニコニコこなしているうちに、仕事納めが来てしまう。
そして仕事納めの翌朝、いつもと同じくらいの時間に目が覚めて、なんだか胸がすーかすーかするのに気づく。今日からあの席に座らなくてもいいんだ・・・ と思ったら、なんだか冷たいような暖かいような、不思議な気持ち。
このまま二度寝をしようかと思ったけど、ぱっと起きてしまって猛烈に洗濯をする。天気がいい平日に洗濯ができるしあわせ。今晩はパリパリのシーツで早寝しちゃうもんね!とか、結局夏休みをもらってもセコセコと用事を片付けてしまう。どこかに旅行に出るとかしないかぎり、ぼーっとできないのかもしれない。

大人の階段

仕事の帰りが終電間際になってしまって、おうちでご飯を作って食べる気力がなくなってしまった。あれこれ考えるのも面倒くさくなって、学生さんで混雑するどんぶり屋さんに飛び込み、牛丼を注文。真っ先に出てきたお味噌汁を静かに飲んでいたら、カウンター越しの正面に大学生ふうの3人組がやってきて座り、それぞれ注文を済ますとおしゃべりを始めた。
 
学生A「こんな時だから言うけど、俺さ、オザキとか好きなわけ」
学生B「俺も嫌いじゃない」
学生C「親父がよく聴いてたから俺も知ってる、カラオケでも歌えるし」
学生A「俺、むしろ好きすぎてカラオケ歌えねえ」
学生B「なにそれ」
学生A「歌詞とか噛み締めちゃって泣いちゃう」
学生B「ええー」
学生C「ああでもそういうのあるね」
学生A「もう好きすぎちゃって、なんつーかもうオザキが俺の代名詞っていうか」
 
あやうくお味噌汁でむせそうになるわたし。素朴な感じのする大学生ふうの三人組はいたって素面で話をしていた。 うーむ・・・ 知らなかったよ、きみの代名詞だったのかオザキは・・・
 
学生A「『16の夜』っていう曲があんだけどさー」
学生B「盗んだバイクで走り出すやつだろ」
学生A「超かっこよくねえ?」
学生B「かもなー」(※棒読み)
学生A「だって16でバイク盗んじゃうんだもんなー 俺、酒飲める歳になったけど、そんなことできねぇよ」
学生B&C「・・・」
学生A「しかも16っていうと、まだ無免許の可能性もあんだろ? 誰かのバイク盗んで、しかも無免だろ。俺にはぜったい無理」
 
ほんとうの曲名は「15の夜」なので、おそらく無免許運転だと思う・・・ が、それにしても数十秒前まで「オザキは俺の代名詞」とまで言っていたA君がまさかの「俺には無理」宣言。もうこのあたりでわたしは残ったお味噌汁をそっとあきらめ、牛丼をもくもくと食べ始めることに。
 
学生A「俺なんかせいぜい「自宅のバイクで走り出す」って感じ。しかも免許持ってるし。オザキと比べると俺、超小さくてかっこ悪い」
 
う〜ん・・・! なんかもうたまらなくなって牛丼をかきこみ、あわてて店を出ました。金曜の深夜、24時間営業の牛丼やさんでムセそうになってる妙齢の女性がいても、どうか冷たい視線を向けないでください。
あと、個人的にはわたし、オザキよりA君のほうがちょっと好感が持てます。代名詞とまではいかないけど・・・

踊るきみのステップ

世界中でいろんなひととダンスをしているマットさんの動画をはじめてみたとき、思わず胸がじーんとしてしまったのを覚えています。同じリズムで踊ることで、言葉や国境を越えて世界中のみんなとひとつになれるような、そんな感動がありました。
 
でも、ネットを中心に一緒に踊るひとを呼びかけたマットさんとはアプローチが違うけど、こういうことって意外とあるような気もしていました。
言葉や国境を越えて、ひとの心をひとつにしている音楽がきっとあるはず。あの国やこの国のラジオやテレビから、家庭のオーディオから、お店のスピーカーから、世界のところどころから響くリズムで、みんなが踊りたくなっちゃうような音楽。
 
たとえばアメリカ、友達の結婚式の余興で

 
こっちもそう(余興でスリラーを踊るのってアメリカではやってるのかな・・・?)

 
オーストラリアのオペラハウスの前で

 
フィリピンの刑務所で


イギリスの地下鉄で

 
3歳児だって踊っちゃうし、

 
インドのスーパースターだって真似して踊るし、

 
そして中国のおうちのリビングでだってぶいぶい踊る!

 
またひとり愛されるミュージシャンが他界してしまって本当に残念。(キヨシローの時と同じく)みんながこぞって残念モードになっている今だからこそ、あまのじゃくな私はアルやんに心のスキマを埋めてもらおうと思います。


 
これもすき

ちゅー☆かおぱい

ぼくの大好きなうさぎちゃん ・・・こんなふうにこいびとから呼ばれたことがかつてあっただろうか。いいやなかった。いつのまにか過ぎ去っていた少女時代を思い返しても一度たりとてない。ましてや今後あるかどうかわからないけれど、あったとしても私はどう接したらいいのでしょう。にこりと微笑み返すまえにきっと、居心地の悪さに身もだえしてしまいそう。

ひと月ほど前の話になるだろうか。ふらりと入った居酒屋さんの有線で↑この曲が流れてきた。「なんだろねこの曲」と言ったら同席者が「たぶんあれじゃない」と男子アイドルユニットの名前を口にした。先日ふとそのやりとりを思い出してこの曲を探すうち、他にも彼らの歌をしりたくなって、見つけたのが↓これ。
徹平くんのちゅー☆かおぱい (8秒あたりのナレーションにご注目)

中国語で「初告白」と書いて「ちゅーかおぱい」と読むなんてあたくし知りませんでした。それにしても「ちゅー」ときて「かおぱい」とは。しかも「第一次ちゅーかおぱい」とは。第二次、第三次はどんなふうになるんだ。もしも、いま中学生だったら二日くらいはこのことばっかり考えていたかもしれない。
そういえば私にもちゅーかおぱいの経験がある。中学生のころ、同じ塾の男の子に片思いをしていたので、塾の帰り道で勇気をだしてちゅーかおぱいしてみたのだ。返事は1週間後にくださいと言い残し、その場を去ったのはいいものの、いったんちゅーかおぱいしてしまうと妙に落ち着いてしまって、しょわしょわと気持ちが泡のように消えてしまった。1週間後、待ち合わせの場所に私は現れなかった。塾を休んでルパン三世の再放送を観ていたのだった。その後も塾でかれに会うことはあったものの、それ以降は言葉を交わすことはなかった。いま思うと、松岡修造に似たタイプのさわやかスポーツマンだった。それ以外はほとんど覚えていない。恋に恋する中学生のちゅーかおぱい。修造には本当に悪いことをしたと思う。

all good things, they say, never last

corcovado2008-01-19

会社の近くに一軒の和菓子やさんがあって、たまにおやつを買いに行っています。
塩キャラメルが話題になるずーっとずーっと前から、おやっさんが塩大福ひとすじでやってきた、オールド&ストロングスタイルの和菓子やさん。米と小豆にこだわり、保存料を使わないことも売りにしているので、その日のうちに食べないと味が変わってしまうこの塩大福が、そりゃもう大変な美味しさなのです。
で、その和菓子やさんの店頭に、先日からこのCDのポスターが貼ってあります。

東京ではめずらしい四月の雪

東京ではめずらしい四月の雪

最近は歌よりもクイズ番組で見かけることの多い香田晋、とうとう洋楽カヴァー(パロディ?)できたか!・・・と調べてみたら、Prince「Sometime It Snows In April」とはぜんぜん関係ないとのこと。阿久悠三木たかしコンビのオリジナルでした。
 
がっかり。

バイバイ ぼくらのパステル・バッジズ

corcovado2007-12-08

すこし前の話になるけど、知り合いが「これあげる!」とCDをくれた。タイのSmallroomというレーベルが出した、フリッパーズ・ギターのトリビュート・アルバム。こんなのあるんだー!
今年でたばかりの、タイのおしゃれバンド13組によるカヴァー集。ジャケットにあるメンバー写真にはボーダー・シャツ率が高い。うー!これ何ていうブリッジ? このアルバムに入ってるのはフリッパーズのファースト「three chears for our side」からの曲のみ。すべて英語詞だからカヴァーしやすかったのかもしれないけど、これ何ていうヴィーナス・ペーター?
中身は懐かしさ半分、まったりゆったり半分といった感じ。渋谷系世代のOLさんの休日を確実に癒してくれそう。(Penguin villaというバンドの「exotic lollipop」のカヴァーがよくて感電死しそう。そのほかにも、良アレンジもりだくさん。)新しい感じはしないけど、懐かしくて楽しい感じの一枚。
それにしてもタイの人ってフリッパーズも聴いてるの?トリビュート作っちゃうほどなの? と思ったら、ライナーを読んだら日本からアイデアを出した企画みたいだ。でもタイでも渋谷系みたいな音楽があることがわかっただけでもちょっとにんまり。そんなテトラポット・メロン・ティ派のわたしです。
この「Smallroom 006 flipper's player」はアマゾンで取り扱いをしてないみたい。街までお出かけのさいは、ぜひ西新宿*1にあるタイ・カルチャー専門店サワディー(http://www.sawadee-shop.com/)でお求めください。現在、タイの歌姫メーさんを大プッシュ中。タイ版パフィーことネコジャンプとか、タイ版くるりみたいなモダン・ドッグスとか、聴きやすいものもあります。ちょっと建物に入るのに勇気がいるかもしれませんが、狭い階段をのぼり、靴を脱いで店に入るスタイルはまるで友達の家みたいですよ。
 
そういえば先日、高円寺でポップ・カルチャーを紹介するイベントに行ったら、あるカレッジ・バンドのCDを紹介していた。ぱっと聞いた感じはそのまんまカーディガンズふうで、渋谷系全盛のころによくあった感じ。でもヨーロッパではなくアジアからでてきたバンドで、ジャケットにあるバンドの写真も懐かしい感じ。
モンゴルにも渋谷系に近い感じの音楽があるんだとか、こういう若者はボーダー・シャツの呪縛から逃れられないんだという話などを聞いて、世界各地に点在する根岸くん*2の存在を確信したわたくしです。
 
【追記】
このコンピを出したsmallroomはこんなレーベルなんですって。はてなキーワードはものしりだなぁ。

音色やアートワークのセンスにより、「バンコク渋谷系」とフォロワー的に言われることもあるが、フリッパーズギターとはほぼ同時進行で事は進行していて(smallroomの母体のバンドcrubのこと)、後で日本の事情に気がついたというのが真相。

 

*1:先日、テレビ東京モヤモヤさまぁ〜ず2」の西新宿特集で、サワディー近くの飲み屋さんが紹介されてました。天気のいい週末にぶらぶら散歩するには素敵なコースです。脚に合わないブーツ履いてるよなお嬢さんにはオススメしませんけど・・・

*2:根岸くんとは・・・ まんが「デトロイト・メタル・シティ」の主人公クラウザー様の中の人。行きがかり上、メタルバンドのフロントマンとしてステージで悪のかぎりをつくしているが、本当はカヒミ・カリィなど渋谷系を愛する優しい青年です。