夜のうみ、月のくも

友達と待ち合わせて海岸へ。レイハラカミとキセルのライヴを聴きにやってきました。幸運にも地元のお祭りが行われていて、屋台がたくさんでてる。たこ焼きが年に数回あるかないかの特別な食べ物だったのはいつ頃のことだっけ。綿菓子やリンゴ飴はまだ珍しさがあるけど、たこ焼きもお好み焼きも焼き鳥も街でよく屋台をみかけるのであまり興奮できなくなってる。(ジャガバターは私が小さい頃にはなかった・・・)
リンゴ飴を齧りながら海岸へ向かう。開場はおろか、もう間もなく開演する時間になっていたけれど、海岸に着くとすぐに建物の中に入ってしまうのが勿体無くて、子供が掘った砂の穴を眺めたりして過ごす。ふと気がつくと会場から音楽が聞こえ出したので、慌てて入場する(と意外と人が入っていなくてびっくりした)。
とりあえず飲み物を飲みつつ後ろのほうで音楽を聴いていると、出番をひかえたキセルの豪文さんが自分で飲み物を買いにきていて、一緒に音楽を聴いたりお話したりしてる。完璧にお客さんになじんでおられる・・・! 豆鉄砲くらった鳩みたいな顔して見ていたら、ふいに目があった(ように見えた)ので目をそらしてしまいました。すみません好きです、大好きです!(「ベガ」が!)と心のなかで愛を叫びながら、恥ずかしくて握手さえお願いできませんでした。
最初のフルアルバム「夢」が出た頃からキセルの音楽を聴いていたのに、ライヴを聴くのはこれが初めてで、ハラカミさん好きの友達に誘われなければ今回も聴く機会を逃していたはず。大好きすぎて思い入れが強いアーティストの演奏を聴きに行くのは良し悪しだと思うので(大人しくCDだけ聴いてればよかった・・・と思うことがたまにあるので)、好きなものこそがっかりしたくないからというネガティヴな理由から最近はライヴには殆んど出かけません。そんなふうなので今日こうしてライヴを聴くのは一種の賭けだったのですが、ようやく結論を言うと、本当に彼らの演奏を聴けてよかったー。すばらしい演奏と唄でした。何より豪文さんの声がCDと実際の演奏では届き方が違うので、ああできるだけキセルの演奏は聴きに来なくちゃ・・・としみじみ思うのでした。ほんと。
そのあとすべての演奏が終わってから会場を出ると、ちょっと雲が多い夜空から月あかりがぼんやりと。暗くなった海から波がざわざわ寄せて、涼しくなった夜風が汗を乾かします。ああ気持ちいいな・・・とそのまま砂浜に腰掛けて友達と話をしたあと、さてそろそろ帰りますかと立ち上がると、また辻村兄弟がお客さんに混じって海岸を歩いておられるではないですか・・・! 「今度こそ話し掛けたら?」と言う友達に半泣きで「あたしゃこういうとき気の利いた言葉が出ないんだよ・・・!」と言うと「良かったです!でいいじゃん」。 さんざん悩んだ末、結局そのまま帰ることにした私に友達は夜店のアメリカンドッグを奢ってくれた。ごちそうさまっす。
 
はてなキーワードを辿って同じライヴを観た人の日記を読んでいたら、この日お祭りで演奏されてた大正琴の写真が貼ってあったりしてあーコレやってた!とか眺めたあと、同じく貼ってあったキセルのライヴ写真に私の後頭部を発見。
http://d.hatena.ne.jp/porpoise/20050716
ちょっとだけ 親 近 感 ・・・!