あのひとのかおり

ある人殺しの物語 香水 (文春文庫)

ある人殺しの物語 香水 (文春文庫)

グルヌイユが街にやってくるよー!
初めて小説「香水」を読んだときは怖いやら酷いやらで興奮のあまり鼻息を荒くして一気に読み、しばらく後になって文庫化されて再読したときは物語のやるせなさに胸をきりきりさせながら読んだ。
この世に生を受けてまもなく母に捨てられ、その後いっさい家族を持たず(持てず)、愛を知ることなく天涯孤独で生きる主人公・グルヌイユ。人間らしい感情を理解できず、もくもくと肉体労働にあけくれる日々。愛情だけでなく見てくれにも恵まれなかった彼は、たったひとつだけ神に許された能力があった。それは嗅覚。街にあふれかえる匂いや香りをひとつひとつかぎ分ける、暗闇でも嗅覚でものを感じることができるほどの、人並みはずれた嗅覚だった。ある日偶然にしてグルヌイユはある人にであってしまう
のだが!
話の続きは来年3月、映画館で確認してください。予告を見る限り、映画版グルヌイユは私のイメージどおり骨っぽい痩せ型体型にうつろな視線。期待できそうです。