かわいくない

楽しい思い出をたくさん並べても不安が勝ちそうなときは、布団をかぶって寝ちゃうのがいちばんだったのであって、電話で誰かに詰問したりしてはいけないんだとしょんぼりしながら思う。今からでも遅くない、布団をひこう、そして寝てしまおう。目を覚ますころはきっと朝、もし真夜中に目が覚めたら月を見ながら散歩でもすればいい。本当にごめんなさい、と思いながらまた寝返りをうつ。
翌朝6時過ぎ、早めに目が覚めてカーテンをあけると見事な朝焼け。誰かにこれを見せたいと思うけど、かの人しか思い浮かばない。写メで送ろうか、電話をかけようかと悩んでるあいだに太陽はするすると空へ上がってゆく。普通の朝になってしまった。