パンじゃなくてお米を食べればいいじゃない

corcovado2007-02-10

お米の国の人だもの。
映画「マリー・アントワネット」を観てきました。物語を期待せずに挑んで正解でした。女子の夢をわんさかてんこ盛りにしたようなイメージ・フィルム。あまくてきれいなお菓子、すてきなドレスや靴、お花のあまい香り、かわいい動物、ハンサムな男の子、朝まで友達とわいわい過ごす夜、いつまでも続かないような気がする楽しいひととき。映画を観ているあいだ、何度も何度もため息をつきながら過ごす。特にマリー・アントワネットがフェルゼン伯爵を誘うときのニーハイ・ソックス!(写真) このシーンと映画冒頭のキルスティン・ダンストがダントツでかわいかったです。
ただひとつ、これはどうかと思うことと言えば劇場で売られているパンフレット。中身を読み進むにつれて「なんでこの映画を単館上映にしなかったの?」と怒りがふつふつと湧いてきてしまう。読みもの、目で楽しむものとしてこの映画のパンフレットはいい出来とはいえない。史実に基づくガチガチの歴史映画ではないことは明らかだし、マリー・アントワネットというキャラクターのイメージ・フィルムみたいなものなんだから、もっと違うパンフレットを作れたはずなんじゃないかしら。
マリー・アントワネット」でルイ16世役を演じたジェイソン・シュワルツマンといえば「天才マックスの世界」を思い出すけど、そのウェス・アンダーソン監督「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」のパンフレットなんて読みものとして最高だと思う。監督についても、物語についても、登場するファッションや文化についても、くっきりと解説がされているうえに本としての装丁もすてき。映画を語らせるべき人がきちんと書いているし、読めばますますその映画の理解が深まる情報がちゃんと用意してある。
いったいどこでこの差が生まれるの?と「テネンバウムズ」のパンフを引っ張り出してみて、さっと眺めるつもりが気が付いたらじっと読みふけってしまう。クレジットには編集に川勝正幸の名前があった。なるほど。
映画を観た後でパンフレットを熟読して、ああもう一度観たいなと思えるようなパンフレットはその映画に対して愛があると思うのです。この映画についてはいっそのこと解説なんてなくていいから、普通のハリウッド大作みたいなパンフレットなんてやめちゃって、文字のないフォトブックにすればよかったんじゃないかなと思うのです。
 
(おまけ)
そういえばマリー・アントワネットが静養する小トリアノン宮殿で、楽士としてフェニックスが出てますナ

It's Never Been Like That

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